租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

法人税法

事前確定届出給与による節税策について

役員給与は期首に決めておかなければ損金にならないのが原則です。 賞与のような雰囲気で支給される事前確定届出給与も、文字通り事前に確定させておいたものが損金になるに過ぎません。しかもこれに関する判定はけっこうシビアで、例えば100万円と届出てお…

事前確定届出給与にする理由

周知の通り、現行の法人税法では役員給与に対する種々の損金算入規制がなされており、通常の役員給与でその規制を受けないのはおおまかには①定期同額給与②事前確定届出給与③業績連動給与の3類型に限られます。 今回取り上げたいのはこのうち事前確定届出給与…

〔書籍〕渡辺徹也『スタンダード法人税法』

※本記事執筆後に第2版が出ました 法人税法の条文解釈と制度趣旨がわかりやすく学べる好著 所得税法の学習書として完全に定番となっているものに佐藤英明先生による『スタンダード所得税法』がありますが、法人税法については計算の説明をした「税務会計」の…

税務における法的思考と会計的思考

税務実務は法的思考を尊重すべき 税務の現場にいてよく思うのが、税理士の実務では簿記の仕訳で考える会計的な思考が強く、良くも悪くも法的な思考は前面に出てこないということです。 これはそもそも税理士に法学部出身者が少なく、多くは経営学部・商学部…