租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

税理士業界

税理士の裁量労働制

レガシィは裁量労働制を導入していたのですね。不勉強にして知りませんでした。そして訴訟になったと(別に最近の話題ではないのですが、ふと目に触れたので)。 近似の労働判例 第25回 東京高裁平成26年2月27日判決 https://www.toben.or.jp/message/libra/…

税理士変更時の会計ソフトデータ引き渡し

会計データ引き渡しのニーズ 会社が会計事務所に記帳代行を依頼しているケースで、会計事務所を変更する際に会計データを請求できるのかが問題となることがあります。 決算書や総勘定元帳を(紙やPDFで)もらえるのは当然として、微妙なのは例えば弥生会計の…

月次決算を極めれば経営が良くなるか

本日のお題はAmazonでたまたま見つけたこちらの書籍。 田村和己『税理士・会計事務所職員のための業績改善の基礎知識』(中央経済社2022) ひと目、会計事務所の業績を改善するための本なのかと思って手に取ったのですがそうではありませんでした。「業績改…

「一応自分でも確定申告できるのに税理士に頼む意味はなんなのか」を考えてみた

先日、プライベートの場面で、とある個人事業主の方から以下のようなことを言われました。 「合ってる合ってないは別として、今はクラウド会計で画面を進めていけば一応自分で確定申告ができるじゃないですか。それでもなお税理士に頼む意味というのはなんな…

税理士がビジネス実務法務検定2級(IBT)受けてみた

ビジ法3級から2級へ 今月頭に東京商工会議所が主催するビジネス実務法務検定試験2級を受験(合格)しましたのでつらつらと感想を書いてみます。 なお3級は昨年受けておりまして、3級の感想やIBTの試験方式に関する細かい情報などは前回の記事で。 taxlawlaby…

税理士がFP3級を受けてみた話

タイトル通り、去る5月23日にFP3級を受けてきました。 1.受検の動機 税理士というとどうしても「税務を正確にこなす」ことに意識がいきがちですが、当然ながらお客様(顧問先)の目的は税務そのものではなくて、事業を通じて自己実現をしたり経済的に豊か…

税理士資格がない人に税務を依頼してはいけない実利的な理由

確定申告時期というのもあり、少々業界的な呼びかけで。。。 税務相談や申告書の作成業務は税理士の独占業務であり、税理士でない人はたとえ無償であっても業としてこれを行なってはいけません。資格がないのに税理士業を行う人を「ニセ税理士」などと呼びま…

年末に年末調整制度について考える

税制審議会答申 『税理士界』第1395号に掲載されていた日税連から「税制審議会」への諮問に対する答申「源泉徴収制度のあり方について―令和元年度諮問に対する答申―」を読みました。 税制審議会は(特別委員)金子宏東大名誉教授を会長、中里実東大名誉教授…

税理士という存在の経済的背景と顧問料の考え方

顧問料は”節税”に見合うべきか 以前(顧問先ではない)知り合いの経営者に「どうなの? 税理士と顧問契約すると、顧問料以上に節税効果出してくれるの?」と聞かれたことがあります。*1 素朴に考えるとそのような疑問が浮かぶ気持ちはわかります。しかし例え…

会計事務所にはじめて勤める未経験者がまず読むべき本

以前書いた会計事務所初心者向けの決算のおすすめ本の記事が意外と読まれているようです。 taxlawlabyrinth.hatenablog.com そこでもうひとつ、過去の自分に向けた「会計事務所に就職したらこれを読め」という指南本を書いておきます。どちらかというとこち…

弥生会計の試算表画面で貸借対照表と損益計算書を切り替えるショートカットほか

仕事道具として弥生会計を使いこなすことは重要です。 私はこれまでは深く考えずポチポチとマウスをクリックして操作していましたが、最近ショートカットを重視した操作を頑張って覚えて使えるようになってきて、かなり能率が上がりました。 ショートカット…

会計事務所初心者向け決算・申告書作成の手引き本

1.意外にセオリーのない「決算」という業務 筆者が会計事務所(税理士事務所)に就職した当初困ったことのひとつに、「決算」及び「申告書の作成」という業務についてこれといったセオリーやマニュアルがないことがあります。 仮に簿記論や法人税法の試験…

ワタシの税理士試験改革案

税理士試験はもっとこうしたほうがいい、ああしたほうがいい……というのは散々言われていることかと思いますので、さらにああだこうだと加えるのは余計なことのようにも思われます。 とはいえ、やはり自分なりに思うところを言ってみたい部分はありますので、…