租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

相続税法

返金をしない前受金の税務

1.事例 2.法人税 3.消費税 4.株価評価 1.事例 例えば年会費前払い制のスポーツクラブが、2年分の会費を先に払ってもらい、会員が途中退会しても返金しないというような場合があります。 この場合スポーツクラブの経理としては入金時点で全額を益金…

小規模宅地等の保有継続要件と申告期限前の売買契約

会の研修より。 相続税における小規模宅地等の特例では「申告期限まで引き続き当該宅地等を有し」ていること、いわゆる保有継続要件が求められることがあります(措置法69条の4)。 ここで疑問なのが「申告期限まで有している」というのは何を意味するのか?…

贈与税の取得費・必要経費該当性

「大阪勉強会からの税法実務情報」ブログを見て、贈与により土地を取得した際に支払った贈与税が取得費にあたるか争われている事案があると知りました。 上記によると審判所の判断は「通常必要と認められる費用ということはできず…」というもののようですが…

合同会社の持分の相続税評価

以前も書きましたし、ちょくちょく聞く話なのですが、日頃お客様と会話するときにも忘れないように話題に出る度に触れていこうかと。 直近の「東京税理士界」の論壇「持分会社をめぐる考察」(リンク先PDF)で持分会社の出資の評価について触れられています…

〔書籍〕『相続・事業承継業務をクリエイティブにする方法60』

白井一馬『顧問税理士のための相続・事業承継業務をクリエイティブにする方法60』(中央経済社2017) 「強い税理士になるための一歩踏み込んだ知識」のオンパレードといった感じの書籍。 それでいて中小企業の顧問をする税理士として無理をしない、お客様に…

〔書籍〕『元彼の遺言状』

新川帆立『元彼の遺言状』 あまりこのブログっぽくはないかもしれませんが。 最近相続法ともう少し仲良くなりたい気持ちがあって、こういう「法律要素のあるエンタメ」にも触れることでそれが達成できるのではと思い、ドラマ化することすら知らずに書店で手…

〔書籍〕『顧問税理士が教えてくれない相続・生前対策パーフェクトガイド』

岸田康雄『顧問税理士が教えてくれない相続・生前対策パーフェクトガイド』(中央経済社2018) 内容(「BOOK」データベースより)企業経営、不動産活用、金融資産運用、生命保険から民事信託まで、すべての分野に横断的な相続対策について、税負担を最小化さ…

相続税申告が不慣れな税理士のための超実務本

1.相続税申告業務の特殊性 確定申告時期に久しぶりの相続税申告を行ったので情報の整理として。 相続税の申告というのは、特化型としてやる税理士事務所はたくさんやる一方で、オーソドックスな法人顧問を中心とする税理士は稀にしかやらない傾向があるや…

相続人ごとに異なる相続税申告書の提出

先日顧問先で打ち合わせをしていて、相続人ごとにそれぞれ(別々に作成した)相続税の申告書を提出することは可能か、という話になりました。 結論から言えば可能です。 実務ではひとつの申告書に相続人全員が署名・押印した申告書を見ることがほとんどかと…