租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

〔書籍〕『元彼の遺言状』

新川帆立『元彼の遺言状』

 

あまりこのブログっぽくはないかもしれませんが。

最近相続法ともう少し仲良くなりたい気持ちがあって、こういう「法律要素のあるエンタメ」にも触れることでそれが達成できるのではと思い、ドラマ化することすら知らずに書店で手に取りました(前から気になってはいたので)。

 

まず小説としては非常に読みやすかったです。ライトノベル感覚というのでしょうか、著者が法律家のわりにはとても平易な文章になっていて、そういう意味でヒットを狙っているのかもしれません。

ストーリーはほどよい緊張感を保ちながらテンポよく伏線を回収して進んでいきます。その中で法律要素が味付け程度に入っていて「弁護士もの」を読んでいる気分にはさせてくれます。

税理士がネタとして楽しむ分には、各当事者の立場になったときに課税関係を踏まえて生前対策をどうするか想像してみるといったことでしょうか。

 

気楽に読めるので、同著者の『倒産続きの彼女』の方も読んでみたいと思いました。