租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

〔書籍〕渡辺徹也『スタンダード法人税法』

※本記事執筆後に第2版が出ました 法人税法の条文解釈と制度趣旨がわかりやすく学べる好著 所得税法の学習書として完全に定番となっているものに佐藤英明先生による『スタンダード所得税法』がありますが、法人税法については計算の説明をした「税務会計」の…

減価償却の自己金融効果というまやかし

今、ある法人税法の本を楽しく読んでいるところなのですが、損金の章に「減価償却の自己金融効果」の話が出て来てげんなりしてしまいました。 私はこの減価償却の自己金融効果というやつが、どうしても意味がわかりません。資金の流出を伴わない費用だから減…

ワタシの税理士試験改革案

税理士試験はもっとこうしたほうがいい、ああしたほうがいい……というのは散々言われていることかと思いますので、さらにああだこうだと加えるのは余計なことのようにも思われます。 とはいえ、やはり自分なりに思うところを言ってみたい部分はありますので、…

「租税法」と「税法」

法分野としての税の勉強を始めて誰しも疑問に思うのが 「租税法」と「税法」ってどう違うの? というものかと思います。結論から言えばどちらも税に関する法領域を指す一般的な言葉であって、厳密にどちらがどういう意味、というのは決められていないと思い…

生命保険の実質返戻率は意味不明

税理士の仕事と切っても切れない関係にあるのが保険(ここでは特に法人で契約する生命保険)です。いざというときのための保障はもちろんのこと、福利厚生や退職金の積み立て、果ては節税目的まで、様々な場面で保険と関わることになります。 そんな中、以前…

税務における法的思考と会計的思考

税務実務は法的思考を尊重すべき 税務の現場にいてよく思うのが、税理士の実務では簿記の仕訳で考える会計的な思考が強く、良くも悪くも法的な思考は前面に出てこないということです。 これはそもそも税理士に法学部出身者が少なく、多くは経営学部・商学部…

〔書籍〕金子宏『租税法〔第22版〕』

ブログをはじめて最初の記事に何を書くかは悩むところですが、書籍の紹介などもやっていきたいので、やはりこの本をまず紹介しておくことにしました。 租税法、基本書中の基本書 この本とは、租税法学の世界で最も権威ある金子宏先生(東京大学名誉教授)に…

当ブログについて

ブログをはじめた動機 はじめまして。日本のどこかで税理士をやっている者です。ハンドルネームは「眼鏡税理士」としておきます。この度租税法及び税実務について自分が勉強した情報を整理したり自分なりに情報を発信するブログを立ち上げることにしました。…

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