租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

「金銭債権と租税」『財政と金融の法的構成』

 中里実『財政と金融の法的構造』(有斐閣2018)より、本日は第7章第2節「金銭債権と租税」。

 

 

 他の箇所でも度々述べられているように租税債権は本質的には(民法の)金銭債権であること、制定法の解釈には普通法がベースにあることが確認されます。

 そうした一般的理論が現れる具体的局面として、過誤納の租税に対する不当利得返還請求の問題が議論されます。中里先生としては私法がベースなのだから私法的な手段による救済はちゃんと認められるべきだという立場ですね。

 本書で論じてきた一般理論の具体的な適用場面として興味深い節です。