租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

「財政法の2つの側面」「財政の再定義」『財政と金融の法的構成』

 中里実『財政と金融の法的構造』(有斐閣2018)より、本日は第1章「財政法の2つの側面」と「財政の再定義―財政法の実体法化と経済学」。後者の元論文はフィナンシャル・レビューでオープン(PDF)です。

 

 

 この第1章では議会の財政権と国家の財産権を論じるのが財政法だとした上で、もっと私法関係に注目してそれを架橋に経済学を取り入れていこうという視座が整理されます。

 その前提として国家も私権の主体であること、憲法は私法秩序を前提としていること、財政と金融は一体のものとして分析しなければならないといった事柄が確認されています。

 これ自体は位置付けの整理と宣言なのであまり中身を云々というものではないですかね。