租税法の迷宮

とある税理士による租税法・税実務の勉強ノートです。

「主権国家の成立と課税権の変容」『財政と金融の法的構成』

 中里実『財政と金融の法的構造』(有斐閣2018)より、本日は第2章第1節「主権国家の成立と課税権の変容」。

 

 

 驚異の外国文献炸裂セクション。本節の初出は2014年の『租税法と市場』ですが、買ってきて「よーし頑張って読むぞー」と思った気持ちが序盤の本論文でボキボキっと折られたことを思い出します。

 もちろんそうやって多くの文献を示して検討していることに本節の資料的価値があるのですが、結論は主権として公法的に成立している租税も歴史的に見れば私法的な性格があるようねという他の章でも論じられている内容です。

 思えば『租税法と市場』もちょっとしか読めてないし『租税法と民法』もちょっとしか読めてないし『現代租税法講座』もちょっとしか読めてないし……いつになったら自分が思い描く知識人になれるのでしょうか。